SARS、エボラ出血熱の時の日経平均
過去に発生した2つの新型ウイルスによる日経平均株価への影響はどうだったのか?
コロナウイルスの株価への影響
2020年の1月上旬に、中国・武漢で発生した新型のコロナウイルスのニュースが、連日大きく取り上げられています。
発生源とされる中国では、感染が原因で亡くなる患者の数も日々増加しています。
1月28日には日本でも厚生労働省が、「武漢に渡航経験のない日本人が国内で感染した」ことを発表するなど、日を追うごとに日本人の感染者も増加しています。
1月30日にはWHO(世界保健機構)が緊急事態を宣言し、世界各国にコロナウイルスの拡大防止への協力を勧告するなど、国内外の緊張が高まっています。
1月27日の株式市場では、日経平均株価の値下がりが、一時期500円を超えました。
1月31日の時点で、株価は回復傾向に向かっているものの、様々な要因の影響で不安定に揺れ動いている状況です。
SARSの時の日経平均
2002年11月に、中国・広東省で最初に症例が報告されたのが、「重症急性呼吸器症候群(通称SARS[サーズ])」です。
このSARSの時は、感染拡大が不安視されましたが、翌年の2003年4月にWHO(世界保健機構)が香港および広東省への不要不急の旅行を延期する勧告を出し、最終的に同年の7月にWHOによる終息宣言で収束を迎えました。
その当時のマーケットを見てみると、2002年の11月末から、2003年の2月末までに日経平均株価は9%下落しました。
2003年の4月には、1982年以来の最安値となる7,607円を記録しました。その最安値以降から徐々に回復の兆しを見せ始め、7月5日のWHOによる終息宣言を経て、8月には1万円台にまで回復しました。
エボラ熱の時の日経平均
2014年には、西アフリカから発症したとされる「エボラ出血熱」が感染拡大し、世界のマーケットに大きな影響を与えました。
日経平均株価は2014年の前半は消費税が増税された影響などで景気が後退し、株価も下落気味でしたが、後半には緩やかに回復しかけていました。
景気回復と思われていたのですが、10月中旬頃になると、エボラ出血熱が世界に広まり、世界的に株が急落、日本においても一時的ではありますが日経平均が大幅に下落、日経平均株価は10月17日の終値が14,532円でした。
しかし、その後11月に入ると年末に向けて大幅に上昇、12月8日には17,935円にまで回復しました。
終わりに
過去に起きたSARSやエボラ熱のように、ある時期は株価が下がっていてもその後回復しています。とはいっても、今回の新型コロナウイルスでも株価が回復するということは言えませんが長期的に見れば回復するのではないでしょうか。わたしも短期的な視点で一喜一憂せずに、遠くも見据えて運用します。